円満な相続対策のカギになるのは不動産

円満な相続にするためには不動産の相続対策をしっかりと行うことが重要です。不動産の評価は高額になりやすく、物理的に分けることが難しいため、不動産が多くある相続では不公平感が生じやすくなってしまいます。

そのため、相続人間でもめる大きな原因になってしまう可能性があります。

ここでは、円満な相続にするためには不動産の相続対策が重要な理由についてご紹介します。

1.不動産が相続対策で重要な理由

相続対策で不動産が重要になる理由は主に次の2つです。

1-1.不動産が相続財産に占める割合が高い

不動産が相続財産に占める割合は、他の財産に比べて極めて高いため、不動産の相続対策が重要と言えます。国税庁の統計によると、令和元年の土地が相続財産に占める割合は34.4%になっています。家屋の5.2%を含めると不動産で約40%を占めることになります。

つまり、不動産の相続対策を行うことで4割の相続財産の対策を行っていることになるため、大変重要なことが分かります。

1-2.不動産の分割方法が多くある

相続が発生すると、遺言書があれば遺言書をもとに、遺言書が無ければ相続人全員で誰が何を相続するか話し合う遺産分割協議を行います。土地や建物などの不動産は、現金や預金と異なり平等に分けることができません。

そのため、次の4つのどれかの方法で分割することになります。

①現物分割

現物分割とは、相続財産に手を加えずに現物のまま遺産分割をする一般的な遺産分割方法です。不動産の場合は、相続人の1人が土地一筆を相続する場合や、土地を分筆して複数の相続人が相続する分割方法を現物分割と言います。現物分割は一番オーソドックスな方法であり、手続きが簡単な方法です。

しかし、1つの不動産を1人の相続人が相続すると残りの相続人に不公平感を与えてしまう可能性があります。相続人が1人の場合や、遺言で不動産の相続人が指定されている場合であれば現物分割が問題になることは少なくなります。

②代償分割

代償分割とは、不動産などの財産を1人の相続人が相続し、代わりに他の相続人に代償金を支払う方法です。不動産などの財産を相続できなかった相続人は、代わりに代償金が貰えるため不公平感を感じにくくなります。

代償分割は、財産が自宅しかない場合に1人の相続人が自宅を相続する場合や、事業用不動産が相続財産の多くを占めており事業の後継者が相続する場合などに利用されます。

③換価分割

換価分割は、不動産を売却し経費を差し引いた残金を各相続人で分ける方法です。各相続人が現金を受け取れるため不公平感が出にくくなります。

ただし、不動産の売却には時間がかかり、地価も変動します。急いで売却をしようとすると時価よりも安い価格での売却になる可能性があります。

また、不動産の取得価格と売却価格によっては譲渡所得税が発生することもあります。

④共有持分

共有持分は、複数の相続人で共有する方法です。

例えば、自宅の土地を長男と次男で均等に共有する場合は、土地の1/2の割合を長男、残り1/2を次男が取得することになります。不動産を共有にすると、その場では不公平感が出にくく問題になることはありませんが、その後にトラブルに発展する可能性があります。

例えば、相続後に不動産を売却したい場合やリフォームしたい場合などは、共有持分権者全員の承諾が必要になります。

また、共有持分権者が亡くなった場合には共有持分がさらに分かれていくことになり、将来的にトラブルに発展してしまう可能性が高くなります。

2.生前対策で円満な相続の実現を

不動産が相続財産に占める割合が高く、分割方法も多くあるため不動産の遺産分割の際にトラブルになる可能性があります。トラブルを回避するためには、財産を遺す人が生前に対策を行って準備することが大切です。

生前対策では、次の3つをしっかりと準備しておくことをお勧めします。

2-1.財産目録を作成する

生前対策を行う際に一番重要なことは現状の把握です。不動産以外についてもどのような財産を保有しているのかを調べ、財産を一覧にした財産目録を作成すると、今後の対策を実行しやすくなります。

また、実際に相続が発生した場合、相続人が財産を調査することになります。財産目録があればスムーズに財産を把握することができ、遺産分割の話し合いに十分な時間を割くことができます。

2-2.相続人と同じ情報を共有する

財産を遺す人(被相続人)は財産目録を作成することで自身の財産を把握することができますが、相続人に伝えていなければ相続人は財産について知ることができません。

そのため、被相続人と相続人の間で「情報の差が生まれてしまいます。」この情報の差がトラブルを生み出してしまう原因になります。

例えば、被相続人の財産が相続人が考えているよりも少なかった場合「他の相続人が被相続人の財産を使い込んだのではないか?」「他の相続人が財産を隠しているのではないか?」と疑ってしまい、トラブルになるケースも考えられます。

こういったトラブルを避けるためには、生前に相続財産について相続人とある程度話をして情報の差が生まれないように共有しておくといいでしょう。相続人が同じ情報を共有しておくことで、遺産分割をスムーズに進めることができます。

2-3.遺言書で意思を遺す

遺産分割で相続人同士のトラブルを回避するために遺言書を作成する方法があります。遺言書があれば、被相続人の意思を相続人に伝えることができ、円滑な相続に繋がります。

ただし、遺言書が原因でトラブルに発展するケースも考えられるため、遺言書を作成する際にはどのようなリスクが発生するのかをよく見極める必要があります。

まとめ

今回は、円満な相続にするためには不動産の相続対策が重要な理由についてご紹介しました。

苦労して築き上げた不動産などの財産が原因で、相続人の仲が悪くなることはとても悲しいことではないでしょうか。遺産分割でトラブルにならないように、生前にしっかりと対策を行うことで円満な相続を迎えることができます。

特に、不動産については十分に対策することが重要です。当会計事務所では、不動産の生前対策についてのご相談を承っております。お気軽にご相談ください。

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