2019.12.02中小企業経営者の方へ
Q&A取引先への謝罪効果的な心理テクニックはある?
Q.当社の従業員が、取引先との間で仕事上のトラブルを起こしてしまいました。
取引先への謝罪として、何か効果的な方法はありますか?
A.謝罪には、スピード感や解決策の提示のほかにも、伝える順番や言い回し、声のトーン、表情、雰囲気など様々な“誠意”を示す要素が必要となります。
“ハロー効果”や“浄化作用”、“洞察作用”などの心理テクニックを取り入れてみるのも有効かもしれません。
“ハロー効果”で誠意ある謝罪を印象づける!?
従業員のミスによって引き起こされたトラブルであっても、謝罪には上司が同行するのが一般的です。
なお、場合によっては、トラブルが大きくなる前に経営者自らが謝罪することも有効でしょう。
経営者が自ら出向くことで、“会社全体の問題として捉えている”という姿勢を相手に伝えることができます。
また、“ハロー効果”によって謝罪に説得力が増し、和解がスムーズにいくという効果もあります。
ハロー効果とは、社会心理学の現象の一つで、相手の肩書や容姿、職業、学歴、人脈など“目立つ特徴”によって評価にバイアスがかかり、その目立った特徴だけで全体を評価してしまうことを指します。
つまり、“経営者”という肩書によって、相手側に「誠意ある謝罪を受けた」と認識してもらえる可能性があるのです。
聞き役に徹して“浄化作用&洞察作用”を促す
取引先の怒りが収まらない場合は、下手に反論や言い訳などをせず聞き役に徹しましょう。
相手の気が済むまで感情を吐き出させることで、冷静な話合いができる可能性が高まります。
なお、これを社会心理学では“浄化作用”といいます。
負の感情を言葉にして外に吐き出すことは、文字通り、怒りを浄化し、心の平穏を取り戻す効果があるのです。
また、怒りの感情が持続するのは一般的に30分が限界だといわれています。
怒りは炎と一緒で、どんなに怒っていても、その感情を30分も外に吐き出し続けていると、やがて沈静化していきます。
まずは30分間我慢して、相手の怒りが沈静化するのを待ちましょう。
また、相手の話を聞くことは、浄化作用と同時に“洞察作用”という効果ももたらします。
洞察作用とは、自分の感情を客観的に“洞察”する作用のことです。
つまり、怒りを吐き出しているうちに「なぜ自分はこんなに怒っているんだろう?」とその怒りの原因を頭の中で整理し、次第に落ち着きを取り戻していくのです。
会社を運営していく上で、ミスやトラブルは必ず起こり得るもの。
そのため、トラブルが起こった際にどのように相手と接するかが、取引先との関係性を継続する上での重要なカギとなるでしょう。
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