2021.09.01ブログ
どちらを選ぶ? 合同会社と株式会社それぞれのメリット
Question
個人で始めた事業が軌道に乗ってきたので、法人化したいと考えています。会社を設立する際には、『株式会社』『合同会社』のどちらかの形態を選ぶケースが多いと聞いています。自分の会社の場合、どちらが合っているのかを知りたいので、それぞれのメリットとデメリットを教えてください。
Answer
株式会社と合同会社では、設立費用や経営者の立ち位置などに違いがあります。「株式会社のほうが通りがよい」などとはよく聞かれる話ですが、最近では、AppleやAmazonなどの大企業が合同会社を選んでおり、その差は縮まりつつあります。会社の将来像を見据えて検討しましょう。設立費用が低く抑えられ
社員の平等性が高い合同会社
合同会社は、働き手全員が『有限責任社員』となり、代表取締役に当たるのは『代表社員』です。社員おのおのが出資者となり、自らの出資した範囲で経営責任を負うことになります。
合同会社を選ぶ第一のメリットは、設立にかかる費用が低いことです。たとえば設立登記を行う際には、登録免許税が必要になります。登録免許税は、原則として株式会社が15万円なのに対し、合同会社は6万円です。また、株式会社では定款を公証人に認証してもらうにあたり、認証手数料の5万円や登記申請用の定款の謄本の請求手数料の約2,000円などもかかりますが、合同会社では定款の認証が不要です。
また、株式会社であれば、決算期ごとの業績開示が必要ですし、役員の任期切れもあります。合同会社は、それらがないので、運営していくうえでの費用や手続きの負担が軽いというメリットがあるでしょう。
デメリットは、比較的低い費用で設立できるがための、与信判断での信頼度の低さや、そもそもの社会的認知度の低さといえます。また、途中で株式会社に変更しようとすると、最初から設立するよりも費用が高くつくことも覚えておきましょう。ただ、途中で株式会社に変更しようと考えるほど経営が順調であるならば、その点は大きな問題ではないかもしれません。
株式会社のメリットは信用性の高さと意思決定
では、株式会社にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
初期に資金がなくても、発行した株と引き換えに、資金を得られるのが株式会社の強みです。さらに、事業規模が大きくなって株式市場に上場することになれば、より資金力が強まり、急成長することも可能になります。
株式会社には決算の公告が義務付けられており、取締役の任期もあるため、定期的にそれらにかかわる費用が必要になります。しかし、事業規模の大きな法人と取引をしたり、事業資金を借りたりしたい場合は、信用性の面から、現状では株式会社を選択したほうがよいでしょう。
また、株式会社の意思決定機関は株主総会で、出資割合の多い人ほど意思決定権も大きくなるので、方向性が定まらなくなるリスクは少ないといえます。合同会社には社員同士の迅速な意思決定で会社を運営できる特徴がありますが、経営が順調でなくなったときに、社員同士の意見が割れると収集がつかなくなるリスクがあるのです。
合同会社と株式会社、どちらにもメリットとデメリットがあります。特徴をよく知ったうえで、会社の形態を選択しましょう。
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