2021.08.26ブログ
増資の方法と種類 資本金が増える際の注意点とは
増資とは、会社の資本金を増やすことをいいます。増資の方法としては新たな株式を発行するのが一般的ですが、増資にはどのような種類があるのでしょうか。
今回は、増資の種類や注意すべき点について説明します。
増資なら金利も返済も不要
新株を発行して資金を調達
企業が資金を調達する方法には、金融機関から融資を受ける方法や、補助金や助成金を活用する方法などがあります。ただ、融資を受けると金利がかかりますし、返済もしなければなりません。補助金や助成金は、返済義務がないものがほとんどではあるものの、一旦、資金を会社で用立てなければなりません。支給されるまで時間がかかるため、長期的に計画を立てていく必要もあります。
一方、増資は金利や返済義務の必要がありません。また、資本金が増えたことによって対外的な信頼度や評価が上がることから、有効な資金調達方法として活用されています。
増資には、大きく分けて『有償増資』と『無償増資』の2つの方法があります。
有償増資とは、発行した株式を実際に出資する人(株主)が購入し、資金を会社に投入する増資です。以下の3つの種類があります。
●株主割当増資
既存の株主に、持株割合に応じて新株の割り当てを受ける権利を与える増資方法です。既存の株主の利益を保ちつつ増資を行うことができます。
●第三者割当増資
現時点で株主であるか否かを問わず、自社の役員や従業員、取引している金融機関など、自社と関係のある特定の第三者に株式の割り当てを受ける権利を与える増資方法です。中小企業が資金調達の手段として最も行うことの多い方法といえます。
●公募増資
株主を特定せず、広く募る増資方法です。IPOなどがこれにあたります。株主の数が増えるため、既存の株主の利益が損なわれるというデメリットもあります。
資本金を増やすなら
1,000万円と1億円の壁に留意する
一方、無償増資は、会社の資本構成の是正や株主還元などを目的に行われることが多い増資です。有償増資は実際に企業の資金を増やすのに対し、無償増資は株主から払込金を受け取らず、ほかの資産と資本金を振り替えて新株を割り当てて増資を行います。会社の純資産内にある利益余剰金や利益準備金、資本余剰金などを資本金に組み入れて、新株を発行します。代表的なのは『持株分割』で、ほかにも『新株予約権』や『新株引受権』の行使も無償増資の一種といえます。
資本金を増やすとき、特に注意が必要なのは、会社の資本金が1,000万円を超えた場合と、1億円を超えた場合に、課税額が増えることです。法人には、消費税の免税事業者と課税事業者が存在します。新設法人は設立2期までは消費税の納税義務が免除される場合がありますが、資本金が1,000万円以上の場合は納税義務の免除の対象となりません。設立後すぐに増資する場合は注意が必要です。
また、中小企業は、軽減税率や欠損金の繰越控除制度、交際費課税の特例などさまざまな税制優遇措置を受けられます。しかし資本金が1億円を超えると、これらが受けられないか、受けられても条件が厳しくなってしまいます。
資金調達は企業の成長に欠かせないものです。増資を行うときには、自社に適した方法を選び、税制についても考慮しましょう。
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