2021.07.06ブログ
手形取引の市場が急速に減少 時間のロスと重い処罰が要因か
1990年のピーク時には4,797兆円を超える交換高を誇った手形取引ですが、手形の流通量
は、2019年にはピーク時の約4%にまで激減しました。手形取引は、なぜここまで大きく減少
したのでしょうか。今回は、手形取引の動きと、減少に至った背景について説明します。
手形交換高、手形交換所ともに
ピーク時より大幅に減少
東京商工リサーチの『2019年「手形・でんさい」動向調査』によれば、2019年の全国の手形交換高は183兆9,808億円で、ピークの1990年(4,797兆2,906億円)から96.1%も減少しました。2017年から3年連続の大幅減少であり、1966年(164兆6,702億円)以来、53年ぶりの低水準となりました。
手形交換所は、手形交換枚数の上昇に伴って増加し、1997年には185カ所と最多を記録しましたが、そこから枚数の減少による統廃合が進んだ結果、2017年には107カ所にまで減少しました。
手形取引が減少した理由としては、手形を利用するための手続きに、振出人・受取人のいずれにも手間がかかるうえ、手形を現金化する際にも時間がかかることなどが考えられるでしょう。
手形取引の電子化推奨により
どう活用されていくかに注目
2016年に中小企業庁と公正取引委員会により、下請代金の支払手段については、原則として可能な限り現金での支払いとし、手形サイト(振出日から支払期日まで)は将来的に60日以内とする方針であるなどの通達が出されました。こうした動きを受けて、手形取引の減少は加速したものと思われます。
手形取引の最大のメリットは、数カ月先まで資金をプールしておけることと、利息が乗らないことです。しかし、不渡りを出してしまったときのダメージが大きく、6カ月以内に二度の不渡りを出せば、2年間銀行取引停止となるなど重い処分が課されます。
政府や全国銀行協会が手形や小切手の電子化を推奨しているなか、処分が厳密な手形取引がどのように活用されていくのかが注目されます。
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