2021.07.05ブログ
企業版ふるさと納税とは? 制度の適用条件と活用ポイント
『ふるさと納税』について、個人向けのほかに、自治体が実施する地域創生事業に寄附をすること
で、企業が税額控除を受けられる『企業版ふるさと納税』があることをご存知でしょうか。
今回は、2016年に創設された企業版ふるさと納税についてご紹介します。
ふるさと納税の意義とは?
制度の適用条件を確認
ふるさと納税の制度は2008年に始まりました。その背景にあるのは『生まれ育った地域に納税できる制度を作ろう』という考えです。
地方には、子育て支援に行政コストを割いても、若者が進学や就職などのために都市圏に流出するため、税収が増えないという課題がありました。その不均衡をなくそうと始まったのが、ふるさと納税です。
2016年には、個人向けだけでなく、企業向けのふるさと納税も創設されました。正式名称は『地方創生応援税制』で、内閣府が主導で取り組んでいる地方創生施策のなかの一つです。企業が自治体の地方創生に関するプロジェクトに寄附することによって、法人住民税、法人事業税、法人税が特例的に控除される仕組みです。
企業版ふるさと納税制度の活用にあたっては、いくつかの適用条件がありますので、ご注意ください。
●寄附先の条件:本社所在地に該当する自治体への寄附は制度対象外
※寄附を行うことは可能ですが特例措置を受けられません。
●寄附を行うことの代償として『経済的な便益』を受け取ることは禁止
●最低寄附金額:10万円
●一部の自治体は制度適用外
税額控除が適用されるふるさと納税
税目ごとの特例措置は?
企業版ふるさと納税の大きなメリットである節税効果について説明します。
税目ごとの特例措置(税額控除割合)は以下の通りです。現在の税額控除割合は、2020年の税制改正で現行の2倍に引き上げられています。この措置は2020年4月以降の各企業の事業年度基準(新事業年度)から適用となり、2024年度までとされています。
●法人住民税…寄附額の40%
●法人税…法人住民税で40%に達しない場合、その残額。ただし、寄附額の10%を限度
●法人事業税…寄附額の20%
税負担の軽減額を例示し、計算してみましょう。
法人が寄附を行った場合は、その全額を経費として計上できるしくみがあります。法人住民税と法人事業税の割合は約30%なので、1,000万円を寄附した場合、1,000万円×30%=300万円を決算時に損金として追加できるのです。さらにふるさと納税制度で、最大60%の税額控除を受けることができるため、寄附額が1,000万円の場合は、最大で1,000万円×60%=600万円が控除されることになります。
まとめると、1,000万円寄附した場合、最大300万円+600万円=900万円分の税負担の軽減効果があります。
また、ふるさと納税をすることによりCSR(企業の社会的責任)活動に取り組むことができ、取引先によい印象を持ってもらえることもメリットです。CSRの意識を持ち、実際に取り組めば、企業評価を上げることもできるでしょう。
特例措置期間中は、より節税効果も高いので、この機会に取り組んでみてもよいかもしれません。
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