2021.06.21ブログ
もし不祥事が起きてしまったら?
不祥事対応で心がけるべきポイント
企業にとって大ダメージとなる不祥事は、未然に防ぐことが望ましいでしょう。しかし、起きてしまった場合には、適切な判断のもと、あらゆることに早急に対応していく必要があります。
今回は、不祥事対応についての基本ポイントを解説します。
不祥事は会社にとって大打撃
まずは未然に防ぐことが重要
企業の不祥事には、個人情報や機密情報の流出、不正会計、税金の申告漏れ、不当表示、自社製品の不具合による事故、従業員の不適切な行為など、さまざまなものがあります。
不祥事が起きると、会社の社会的評価に傷がつくだけでなく、不祥事が法令違反にあたるものであれば、刑事罰が科されることもあります。また、故意または過失により第三者に損害を生じさせたときは、軽過失でも不法行為責任は発生し、損害賠償責任を負うこともあります。
たとえば、2000年代に複数発覚した三菱自動車工業の大規模なリコール隠し事件では、道路運送車両法違反、業務上過失致死傷罪で有罪判決が下され、遺族に対する損害賠償の支払いも命じられました。
また、2014年には、ベネッセコーポレーションの関連会社で働く従業員が故意に顧客情報を外部に売却したとして、大きなニュースになりました。同社は、被害に遭った顧客への補償に約200億円を特別損失として計上しましたが、後に顧客らが集団訴訟を起こし、解決までに長い時間を要しています。
不祥事を未然に防ぐためには、まずは会社として守るべきルールを全従業員に周知徹底し、管理体制を構築することが大切です。不祥事の予防・早期発見のために内部通報制度を設けるのも効果的でしょう。政府もこれを推進しており、2020年には『改正公益通報者保護法』が成立(2022年6月までに施行予定)。同法では、内部通報制度の整備を従業員300人超の企業に義務づけ、300人以下の中小企業においては努力義務としています。
とはいえ、対策をとっていたとしても、不祥事が起きることはあります。その場合、どう対応すればよいでしょうか。
不祥事の対応について
企業が心がけるべき基本的なこと
万が一不祥事が起きた場合、対応次第では社会的信頼のさらなる低下を招いてしまいます。対応に関しては、以下を必ず押さえておきましょう。
●一刻も早く事実確認を行う
まず行うべきは、迅速な事実確認です。不祥事の原因究明や関係者の把握、取引先や顧客などに損害が生じている場合は、その損害の範囲や規模、内容などを把握しなければ、対応の方針が立てられません。
●対外的な対応は誠実に
不祥事の内容によっては、被害者に直接謝罪したり、メディアに対応したりする必要も出てきます。時には「なぜ不祥事が起きたのか事実関係を説明してほしい」「誠心誠意、謝罪してほしい」などと被害者やメディアから強く求められることもあります。これらに対して書面だけの簡単な対応で済ませたり、なかなか応じなかったりなどの不誠実な対応をすると、ますます信頼が失われる結果になりかねません。まずは不祥事対応の窓口を設置し、不祥事の内容や原因、再発防止策についてできる限り説明し、謝罪すべき点はしっかりと謝罪する誠実さが必要です。
●トップがリーダーシップをとる
当然ですが、責任転嫁をしようとする経営者を世間が受け入れることはありません。こうした姿勢は、企業の評価を大きく下げてしまいます。経営者がリーダーシップを発揮し、矢面に立って対応することはとても重要です。対応次第では、『誠意ある企業』というプラスのイメージを持ってもらえることもあります。
不祥事対応の際は、会社の信頼性の低下を最小限にくい止めるよう迅速に動くことが大切です。何より、不祥事を出さないように普段から会社の体質改善に努めていきましょう。
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