2021.06.14ブログ
商品の適正価格がわからない? 損益分岐点の考え方と計算方法
Question
今度リリースする新商品の価格を検討しています。素材にこだわった商品なので、価格を高めに設定したいのですが、どれくらいが適正かわかりません。商品やサービスの価格を決めるときには損益分岐点を参考にするとよいと聞きました。損益分岐点はどのようにして算出すればよいのでしょうか?
Answer
損益分岐点とは、かかった費用をカバーでき、それ以上売れれば黒字化できる『赤黒トントン』の売上高を指します。開発や製造にお金がかかりすぎると、損益分岐点が高くなりますし、価格が低すぎても同じです。経営の指針として、損益分岐点をあらかじめ適切な位置に設定しておくことが大切です。損益分岐点とは投資が黒字化する収益ライン
新規ビジネスにおいて、価格設定は重要です。高すぎる価格設定では売れなくなり、低すぎる価格設定では利益が出ません。費用を回収し、最大限に利益を出すために、バランスのよい価格がどのあたりにあるのか検討する必要があります。
損益分岐点は、その商品やサービスの妥当な価格ラインを知り、赤字にしないために用いられます。『売上額』『固定費』『変動費』の3つをもとに算出します。
ここでいう売上額は、その商品やサービスがどれくらい売れるかの予測値です。固定費とは、工場の賃貸料や人件費など、売上に関係なく、販売を続ける限り固定でかかる費用のことで、変動費は商品の材料費など、売上に応じて変動する費用のことです。固定費と変動費を合わせた数字が売上高を上回っていると、損益分岐点を超えられず、赤字になります。
損益分岐点のグラフを作って正確な採算ラインを把握する
損益分岐点を知るにあたり、最初にすることは、1カ月の売上高、固定費、変動費の確定です。これらの数字を用いて、グラフで損益分岐点を出してみるとよいでしょう。
まず、月間の売上予測もしくは実績等で、売上高の最大値を出します。実績がすでにある商品であれば、前年度のデータを参照するとよいでしょう。売上高の最小値は、0の位置で固定です。
次に、固定費と変動費を合わせた数字の線を引きます。売上が0の時点では変動費もゼロになるため、この線は、固定費のみの金額からスタートします。売上高が増えるほど、徐々に費用も上がりますが、やがて売上高が費用を上回るポイントがあります。ここが損益分岐点になります。
ちなみに、損益分岐点と合わせて、よく用いられるのが『限界利益』です。これは売上高から変動費を引いた利益のことで、固定費を度外視することで、どれくらいの利益が出せるビジネスなのかを表します。利益が増えても固定費は変わらないことから、損益分岐点を超えたところからは、限界利益率が高ければ高いほど、儲かる商売であることがわかります。
経営者なら採算ラインは感覚的に知っているものですが、一度、正確に把握しておくとよいでしょう。
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