2021.06.11ブログ
今さら聞けない、『GDP』って何? 国の豊かさを示す国内総生産とは
Question
数年前、政府が「名目GDPを600兆円に引き上げる」という目標を立てたりと、GDPは経済において重要な指標とされています。そもそも、GDPとは何を示しているのでしょうか?Answer
GDPとは、国内総生産のことを指します。一定期間内に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を示すもので、国内の景気を比較的正確に反映する指標として使われています。この数値を見ることで、その国の経済規模が分かり、景気の変動や経済成長を分析できるのです。日本企業が海外生産したものは
日本のGDPに含まれない
GDPの内訳は、日本で生活する人々による“消費”と国内の企業が行う“投資”、政府が使った“政府支出”、輸出額から輸入額を差し引いた“貿易収入”からなっており、GDPはそれらの合計額となります。注意すべきなのは、国内で生み出されたものだけが対象となるということ。現在多くの日本企業が海外に工場を持っていますが、海外の工場で生産し、海外向けに販売されたものは、日本のGDPに含まれません。
また、GDPと似ている指標に、GNI (国民総所得)と呼ばれるものがあります。GDPが『国内で一定期間に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額』であるのに対し、GNIは『日本国居住者が国内外から一定期間に得た所得の合計』を表します。GNIには、海外にある日本企業の所得も含まれるため、よりグローバルな視点で示された数値であるといえるでしょう。
一方、GDPはその国の経済力の目安としてよく用いられ、このGDPが前年同期や前期と比べてどのくらい増減したのかを見ることで、国内の景気変動や経済成長を推定することができます。つまり、GDPは経済的豊かさの指標でもあるのです。
GDPの数字を上げるためには、労働力人口を増やす、効率化を図って生産性を上げるといった基本的なことに加えて、外国企業を誘致するなどさまざまな取り組みが提案されています。
GDPに反映されない豊かさも
現代には多く存在する
このほかに、GDPに含まれないものとして、無料コンテンツや家事労働などがあげられます。最近では無料コンテンツで集客し、そこからサブスクリプション(定額サービス)につなげていくというビジネスが多く出てきていますが、そこで提供されるものがどれだけ価値ある情報やコンテンツであっても、無料であればGDPには含まれません。また、お互いに得意とするスキルを交換してビジネスを加速させるシェアリングエコノミーのような手法も、同じようにGDPに反映されません。
そういったことから、現代の日本の経済傾向を把握するという意味では、GDPだけでは分からない部分が多々あるといえるでしょう。そのため、「もはやGDPでは経済的な豊かさを図れないのでは」といった声が上がっているのも事実です。
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