2021.06.04ブログ
起こりうる自然災害に備えるBCP(事業継続計画)策定ポイント
ここ数年、日本は地震や大雨などによる甚大な被害に見舞われています。会社が大規模な天災に巻き込まれてしまったときには、ビジネスにも大きな損害が生じます。今回は、被害を最小限にとどめ、速やかにダメージから立ち直るために必要なことを確認していきましょう。
災害によるビジネス機能の停止会社が受けやすいダメージとは
近年、日本で頻発した豪雨災害は、河川の決壊、居住区域の水没などの大きな被害を残しました。こうした大災害に見舞われた場合、会社が受けるダメージには次のようなことが考えられます。
●重要書類やデータの毀損
オフィスが被災・損壊し、決算書や各種申告書、取引先との契約書などの重要書類が物理的に毀損すること、また、端末やサーバが損壊することにより、紙の書類だけでなくデータそのものが消失する恐れもあります。
●社員が出勤できず、業務にあたることができない
災害の規模によっては社員の人命に関わることもあります。安否は確認できたものの、交通手段が断絶しているために出勤ができない、オフィスが損壊して業務を行えないなどのほか、今回の新型コロナウイルス感染症対策の特別措置法のように、自粛を要請されることによって出勤できない場合もあります。
●取引先が甚大な被害を受け、売掛金の回収が困難に
自社が被災しなくても、取引先などが被災してしまった場合、取引は一旦停止せざるを得ません。売掛金の回収が困難になり、資金繰りがおぼつかなくなる恐れもあります。下請会社などが被災した場合、必要な部品などの供給がストップし、商品やサービスを提供できなくなる可能性もあります。
そのような非常事態に、被害を最小限にとどめながら事業の継続や早期復旧を実現するには、いかに平常時から備えているかが重要といえます。そこで、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておくのが『BCP』と呼ばれる事業継続計画です。次に、BCPの策定方法を見ていきましょう。
事業を継続・復旧させるために被害を最小限にとどめるBCPとは
中小企業庁『中小企業BCP策定運用指針』のホームページで公開されているガイドブック『BCP策定のためのヒント~中小企業が緊急事態を生き抜くために~』では、策定の例として、ある中小企業の社長がBCPを策定するまでの道のりを10のSTEPで示しています。自社に置き換えて考えることで、より具体的なBCP策定に取り組めるでしょう。
【10のSTEP(例)】
①自社が遭遇する重大な自然災害などを確認する
②自社の存続にかかわる重要な業務をあげてみる
③中核事業を復旧させる目標時間を設定する
④復旧に長時間を要する資源を特定する
⑤資金調達についても考えておく
⑥対策や代替手段を考える
⑦従業員、取引先などとの共通認識を持つ
⑧安否確認と取引先との連絡手段を考える
⑨今後、実施すべきことを理解し、計画的に進めていく
⑩1年間の活動を総括して、BCPを見直す
同ホームページでは、BCP策定のための様式類のほか、BCPのサンプルもダウンロードできますので、そちらを利用するのもよいでしょう。また、すぐにはBCPの策定に着手できないという場合でも、『書類の電子化・クラウド化を進める』『ハザードマップで地域の避難場所や避難経路を確認する』『災害時の社員の安否確認方法を決めておく』など、日頃から社内でできる災害時の備えを進めておくことが大切です。
もしものときの大混乱を防ぐことが、速やかにダメージから立ち直るための第一歩といえます。できるだけ早いうちにBCPを策定しましょう。
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