2020.10.29ちょっと役立つ豆知識
顧客一人あたりの利益を高める クロスセルとアップセル
増収のため、“顧客単価を上げる”という視点が近年重視されています。顧客のニーズが多様化し、新規顧客の獲得が容易ではない昨今、営業効率を上げるためにも欠かせない考え方です。
今回は、そのために知っておきたい『クロスセル』と『アップセル』を紹介します。
クロスセルとアップセルで
ライフタイムバリューを上げる
『クロスセル』とは、ある商品を検討している顧客に対して、その商品以外の購入も促すことをいいます。
たとえば、プリンターを単体で購入しようとしている顧客に対して、インクやコピー用紙もセットで購入するよう促したり、「離れた場所から簡単に資料をプリントできる」などのメリットを説明し、タブレットの購入も促したりする手法です。
一方、『アップセル』とは、ある商品を検討している顧客に対して、それよりもさらにグレードの高い商品の購入を促すことをいいます。プリンターの例でいえば、プリント機能だけでなくコピーやスキャン機能なども備えた複合機タイプや、より高速でプリントできる上位モデルを案内したりすることが、アップセルに該当します。
いずれの手法も、その目的は“ライフタイムバリューを上げる”ことにあります。ライフタイムバリューとは、『顧客1人(または1社)と取引を開始してから終えるまでの間に、その顧客から得られるトータルの利益』のことをいいます。日本語では顧客生涯価値と訳されます。再びプリンターの例を出すと、顧客が最初に求めたものはプリンター本体のみだったとしても、その後、継続してインクやコピー用紙なども売れることを考えると、顧客のライフタイムバリューはプリンター本体の価格では収まりません。
事前に市場調査を行い
見込み客を引きつける工夫を
ライフタイムバリューを上げるには、顧客にリピートしてもらえることも大事な要素となります。そのためにも、クロスセルやアップセルを活用するときには、顧客満足度を上げることを意識する必要があります。
また、クロスセルやアップセルを行うときには、事前の市場調査が欠かせません。たとえば、アップセルを行うとしても、用意した上位モデルが顧客のニーズに合っていなければ売れません。たとえば、プリンターを購入する顧客が法律事務所や不動産会社など、日常的にFAXを多用する業種であれば、プリンターの上位モデルとしてFAX付きのものを案内することには意味があります。しかし、学生などにFAX付きの上位モデルを提案しても、そもそものニーズがないため購入につながりません。
また、クロスセルやアップセルを活用するにしても、まずは見込み客に注目してもらう必要があります。そこでよく使われているのが、『破格の値段の商品を前面に出して広告を打ち、店舗に誘導する』という施策です。そして、実際に店舗に来てくれた客にしっかりとアピールできるよう、商品の選択肢を増やしておくのです。
たとえば、衣料品店であれば、チラシに掲載されている色味に加えてさまざまなカラーバリエーションを用意したり、同じようなテイストで少し値段が高いものを揃えたり、あるいはコーディネートできる商品を多数提案したりします。選択肢が広がれば、想定予算をオーバーして買い物をしてもらえる可能性が高まります。
売上アップのためには、新規顧客の獲得だけでなく、ライフタイムバリューを高めることも重要です。こうした施策をぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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