2020.10.23中小企業経営者の方へ
税務調査が来てもあわてないために 知っておきたい傾向と対策
ほとんどの経営者が、税務調査があると聞くと、不安を感じてしまうのではないでしょうか。「うちは何を調べられても大丈夫」と自信を持って言える会社は少ないものです。いざ税務調査が来るときにあわてなくて済むよう、税務調査の基本的な知識をお伝えします。
税務調査は年間9万9,000件!
意外と多い申告漏れ
税務調査は全ての会社に入るわけではないため、つい「まさかうちには来ないだろう」と油断してしまう方も多いでしょう。
しかし、調査が入る割合は意外と多いのです。国税庁が発表している『平成30事務年度 法人税等の調査事績の概要』によれば、税務調査の件数は年間で9万9,000件となっています。総務省・経済産業省の調べで、2016年6月1日の時点で日本の企業数は385万6,457企業と判明しているので、大きく変動がなければ全体の約2.5%程度が税務調査の対象になっていると考えられます。
さらに、税務調査を受けた会社のうち、非違があった件数は7万4,000件。申告漏れの所得金額は1兆円を超えています。このように、多くの会社に調査が入り、頻繁に申告漏れが見つかっているので、調査が来てもよいよう、よく準備しておくことが必要です。
ところで、税務調査の対象になりやすい会社には特徴があります。税務署としても限られた人員のなかで効率よく調査を行わなければならないため、どのような会社をチェックすれば申告漏れが見つかりやすいかのノウハウがあるのです。「税務調査の対象になるのは儲かっている黒字の会社だろう」と考えてしまいがちですが、赤字であっても申告漏れを起こしやすい条件を備えている会社は調査が入りやすくなります。どのような場合に税務調査が入るのか、しっかり理解しておくことが肝心です。
どんな会社に調査が入る?
申告漏れを起こしやすい条件とは
それでは、税務署の調査対象に選ばれやすい会社の条件についてご紹介します。
●業績が大幅に伸びた会社
その年に好況だった業種や、売上げが伸びた会社は調査が入りやすいといわれます。不動産を売却して利益が出たタイミングなどで調査が入ることもあります。
●納税額が大きく落ち込んだ会社
納税額が減り、かわりに交際費や家賃などの経費が大幅に増えた会社は、不当な操作をしていないか確認が入ります。
●過去に不正をしたことがある会社
過去の指導に従って、きちんと帳簿をつけているかを調査で見られます。不正をした会社と取引がある会社も対象になりやすいといわれています。
このように、業績や貸借対照表の数値に大きく変動があったタイミングや、不正をした履歴があるときに、調査対象に選ばれやすくなるようです。
ほかにも、飲食業などで現金でのやり取りが多い会社は、請求書や領収書以外の証拠が残らないため、粉飾決算がしやすく、調査の対象になりやすいといえます。
ちなみに、重点的に確認される項目としては『売上と経費の伸び率』、『人件費』、『交際費』、『減価償却費』、『寄附金』等があげられます。ミスを指摘されないためにも、これらの項目はよく確認しましょう。
どの会社が税務調査の対象になるかはわかりません。ここにある特徴に当てはまらなくても、税務調査の対象になる可能性は十分にあります。いざ調査が入ったときにあせらないよう、日頃からお金の流れには注意しましょう。
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