2020.09.25中小企業経営者の方へ
複数人で会社を創業したとき『代表取締役』になれるのは何人まで?
Question
一緒に働いてきた仲間と二人で会社を始めたいと考えています。会社設立後も、上下関係になるのではなく、対等な立場でビジネスを回していきたいので、どちらも代表取締役に就任できれば一番よいのですが、そうしたことは、制度上可能でしょうか。
Answer
代表取締役は一人である必要はなく、何人いても構いません。ただし、会社の代表者が複数になるということは、業務上の手続きの面では円滑に進めやすくなる一方で、対立するとこじれるなどのデメリットも存在します。会社印の取扱いなどにも注意が必要です。
意外と知らない代表取締役の意味と役割
そもそも代表取締役とは、会社を代表する権限を持つ取締役のことです。会社法では、代表取締役について『株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する』と定められています。代表、という名のとおり、会社を対外的に代表して業務を執行することができるのです。
これに対し、取締役は経営を担う役職ではあるものの、会社を代表して業務執行する権限はありません。単独で契約書にサインできるのは、代表取締役だけです。一般的には代表取締役は一人のことが多いため、単独でなくてはならないように思えます。しかし、代表取締役が複数人いても法律的に問題はありません。4人、5人といても構いません。
代表取締役が複数人いるということは、業務執行権限を持つ人物が複数いるということです。契約を結ぶなど、会社にとって重要な行為を単独でできる人が増えるため、業務執行のスピードが上がるというメリットがあります。ほかにも、それぞれが管轄する部署間のパワーバランスが保たれ、人間関係のトラブルが起きにくくなる効果もあるようです。
複数の代表取締役業務が滞るデメリットも
ほかにも、今までとは違う分野のビジネスを手掛ける時に、その分野に強い人材を、新たに代表取締役にする『分立経営』という手法もあります。複数の分野の代表取締役が、それぞれの専門知識を活かしながら、話し合って会社の方向性を決めることができます。
ただ、代表取締役が複数いることはメリットばかりではありません。たとえば、意思決定者が複数いるために業務遂行のスピードが遅くなる、関係性が悪化してトラブルになったときに、権力が均衡しているため余計にこじれる、といったことも起こり得ます。
また、代表取締役が複数人いても、複数の代表取締役が同じ印鑑で会社の代表者印として登録することはできないので、それぞれが代表者印を用意し、印鑑登録をしなければなりません。「どれが本当の代表者印なのか」と客先の混乱を招かないためにも、情報のすり合わせが必要です。
一般的に『代表』といえば一人だろうと想像しますが、実際の法律では複数人の代表取締役を置くことが許されています。経営スタイルと合っていれば、検討してもよいかもしれません。
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