自分で使う頻度の少ないモノやスキルを複数人でシェアしあったり、共有する『シェアリング
エコノミー』が注目されています。日本での認知度は、海外に比べて高いとはいえませんが、今後
『シェアリングエコノミー』にはビジネス展開のチャンスがあるかもしれません。

個人間のやりとりに対する不安が日本では普及の妨げに

　所有を必要としないモノやスキルを複数人数で共有する『シェアリングエコノミー』の普及率が、先進国を中心に伸びています。しかし、2018年に総務省が公表した『ICT（Information and CommunicationTechnology/情報通信技術）によるインクルージョンの実現に関する調査研究』によると、日本でのシェアリングエコノミーの認知度・利用率は、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国、中国、オーストラリア、インドのなかで最下位という結果が出ました。

　また、同調査によると、日本国内においてシェアリングエコノミーを利用するための条件として、『トラブル発生に備え、サービス事業者の保証や介入の仕組みがある』『貸し手（借り手）との連絡手段が確保されている』『貸し手（借り手）の名前やプロフィールが確認できる』などが、貸し手・借り手ともに50％を上回ることがわかりました。

利用者の不安を払拭することが大きなチャンスにつながる

　前述の資料によれば、日本国内では、相手が信頼できる貸し手（または借り手）であるのか、トラブルになった際のフォローシステムはあるのかといった不安が利用の障壁になっていることがわかります。シェアリングエコノミーの代表的なサービスとして『民泊の仲介サービス』『駐車場シェアリングサービス』『個人の仕事・労働のワークシェアリングサービス』などがあげられるなか、一般的な認知度は高まってはいるものの、利用率は高くありません。これも、“知らない人とシェアする”ことに対する不安が影響した結果といえます。

　このように、シェアリングエコノミーは、まだそれほど普及しているとは言いがたい状況です。貸し手・借り手が抱える不安を払拭することができれば、ビジネスチャンスに繋がるのではないでしょうか。

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