2020.08.27中小企業経営者の方へ
長年にわたる職場の男女格差 ワークライフバランスが問題解決のカギ
日本は長年『男尊女卑』の考え方が続いていた国です。そのため、女性の社会進出が進んでも、男性と女性の労働環境の格差は、長年にわたり社会的な問題になってきました。男女の違いを認めながらも差別的な待遇をなくし、すべての社員が生き生きと働くことができれば理想的です。社員がみな平等に、力を発揮できる環境を作るには、どうすればよいでしょうか。
もしかして法律違反かも?
知っておくべき雇用機会均等法
男女の格差によって生じる問題は、社会問題として取り上げられてきました。たとえば次のようなものがあげられます。
●男性より女性の非正規雇用が多く、給与や雇用の安定性に差が出やすい
●産休や育休後に女性が職場に復帰しにくい
●仕事内容や昇格の速度に男女で差がある
●異性に対するセクハラが常態化している
●男性が育休を取ると出世に影響するため、男性が育休をとりづらい
まだ身の回りにもあるかもしれませんが、こうした職場はいずれ問題になる可能性があります。
さて、職場での男女差別に関連して、経営者が知っておくべき法律が、男女雇用機会均等法です。性別による差別を禁止し、特に女性への不利益がある取扱いなどを禁じることを趣旨としています。
たとえば、次のような待遇差があると男女雇用機会均等法に違反することになります。
●求人を出すとき、条件に性別を加えて男女のいずれかを排除する
●求人を出すとき、女性だけに対して、未婚であることや子どもがいないことなどの条件を求める
●業務の配分や配置、権限を与えるときに男女で待遇に差をつける
●役職への昇進を男性または女性のみとする
●福利厚生の条件に男女で差をつける
このような扱いは法律で禁じられている行為です。
ワークライフバランスの考え方が
職場環境の改善につながる理由
ワークライフバランスとは、仕事だけでなく、地域や家庭といった身の回りのコミュニティでも、年齢やライフステージに応じてさまざまな形のコミットメントができるような、仕事と生活面のバランスの良い社会を目指すという考え方です。
誰もが仕事と家庭を両立できる環境づくりが、ひいては女性の家事の負担を減らし、働き方の格差をなくす近道だといわれています。
ワークライフバランスを実現しやすい職場にするには、まず、風通しをよくし、意見を言いやすい雰囲気づくりが大切です。たとえば、若手や社歴の短い人の意見を積極的に取り上げるなど、全体の声を平等に聞かなければ、環境の改善は見込めません。
また、立場が上の人を重点的に教育することも大切です。役職者や勤続年数が長い人など、社内で立場が強い人ほど、古い価値観を持ち出さず、まずは自分の言動に注意する意識を持ってもらう必要があります。
くわえて、仕事に関する教育は上手でも、女性との接し方や女性に気持ちよく働いてもらう方法を知らない管理職や幹部も少なからずいますので、そのような教育も必要です。
人事部などが男女格差や労働環境に関する悩みなどを従業員からヒアリングし、現状に則した改善点を模索するのもよいでしょう。
男女間の格差が残る会社は前時代的にみられがちです。従業員が生き生きと働ける職場環境を作るために、ワークライフバランスの改善から始めてみるのも一つの手段ではないでしょうか。
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