2019.12.13中小企業経営者の方へ
『BCP』で災害などの緊急時における社員への対応を決めておこう!
いつ起こるかわからない自然災害。大地震や台風などに見舞われ、帰宅困難となった社員が外泊やタクシーを利用した場合などについて、労務管理上の対応策は考えていますか?
東日本大震災を契機に、緊急事態に備えた『BCP(事業継続計画)』の策定が求められています。
緊急事態に対応するための『BCP』が重要視されている
近年、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合について、事業の継続と早期復旧を可能にするための方法や手段を取りまとめた事業継続計画『BCP』(Business Continuity Plan)の重要性が認知されてきています。
『BCP』を策定するには、従業員の安全や雇用を守ることが最優先となります。
その際に必要になるのは、以下の事項などについてです。
(1)安否確認の方法
(2)勤務の取扱い(当日の勤務および翌日以降の勤務について、当日および翌日以降のタクシー利用等の交通費について、通常ルート外の通勤についてなど)
(3)宿泊について(宿泊費の支給の有無)
そのうえで、製造業であれば商品の安定供給、医療・サービス業であれば診療や営業の再開に向け、具体的な計画を立てていきます。
被害を最小限にとどめるためには、事前の準備と継続的な訓練が欠かせません。
『BCP』の策定が現実的でない場合は、最低限、緊急時の対応マニュアルを作成しておきましょう。
労災の上乗せ補償を定めキャッシュフローの悪化を防ぐ
地震や台風など、自然災害によって従業員がケガをした場合は、たとえ仕事中でも業務とは無関係の現象とされ、労災と認定されることはありません。
しかし、たとえば地震が起きて、上司の指示によって屋外へ避難する途中にケガをした場合などは、労災と認められることがあります。
これは、避難中の行動が業務に付随した行為だと考えられるからです。
また、地震で事務所内の荷物が落ちてきてケガをした場合なども、業務上の負傷であるという起因性が認められ、労災になることがあります(昭49・10・25基収第2950号)。
労災時の支払い額を約束する『災害補償規定』を定めている企業の多くは、労災適用時に自己資金から上乗せで補償を行っているため、大災害で複数の被害者が出ると、補償のために事業継続が困難になる可能性があります。
そこで、『BCP』で会社存続や従業員の安全確保の目的のほか、労災の上乗せ補償を定めることで、キャッシュフローの悪化を防ぐ効果があります。
『BCP』を策定したら、いざというときにしっかり機能させるためにも、社内での定期的な告知や訓練、設備点検を行って、万全の備えをしておきましょう。
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