2019.12.09知っておきたい法律知識
気づかぬうちに法律違反!輸出の際に注意したい『外為法』とは?
国外に自社の製品を輸出している企業は、『外国為替及び外国貿易法(以下、外為法)』を守ることが義務付けられています。
過去には、この法律に違反したことにより、企業内から逮捕者が出てしまうケースもありました。
そこで、外為法について、注意点ともに解説していきます。
輸出担当者や人事採用担当者の業務が外為法違反になることも
『外為法』とは、日本と他国間における資金や財・サービスの移動や国内の外貨建て取引を行う際に適用される法律です。
これらの取引に対して必要最小限の管理・調整を行い、対外取引の正常な発展、日本や国際社会の平和・安全の維持、さらには日本経済の健全な発展に寄与することを目的として定められました。
この法律による規制の一つとして、経済産業省では、大量破壊兵器などの兵器の開発・製造などに関する資機材や汎用品の輸出、また、これらの関連技術の非居住者(日本以外に居住する自然人および法人)への提供についての管理を行っています。
そのため、これらに当たる資機材や技術などを海外に輸出する際には、経済産業大臣の許可が必要になります。
外為法の対象地域は全地域となっていますが、特に国際的な懸念がある地域として、イラン、イラク、北朝鮮があげられており、輸出貿易管理令別表第4の地域(懸念国)として規定されています。
企業内の外為法の担当者がその内容を熟知しているだけでは不十分です。
それは、輸出を行う担当者が理解していなければ、刑罰の対象となる可能性があるからです。
実際、外為法の規制対象製品の輸出手配を、輸出担当者が許可なく行ってしまうケースは少なくありません。
さらには、人事採用担当者にも外為法の知識が必要となります。
なぜならば、外国人を雇用することによって、外為法で禁じられている、兵器の開発・製造などに関する資機材や汎用品の技術提供がなされる恐れもあるからです。
そのため、自社製品や技術が外為法の規制の対象となる可能性を持つ企業の人事採用担当者は、従業員や留学生、研究生の受け入れや雇用が外為法に反していないかを考慮する必要があります。
法律違反を回避するために研修を行うなどの対策を
このほかにも、外為法違反になるケースとして、“輸出先企業が、輸出した製品を輸出貿易管理令別表第4の地域に再輸出する”“海外出張して対象となる技術を教えている”など、さまざまなことが想定されます。
外為法は当該法の担当者だけでなく、輸出担当者、人事採用担当者など、海外に関わる業務に携わる労働者全員が理解しておく必要があります。
そのためにも、“正しい外為法の知識を身につけることができるように社内で研修を行う”など、法律違反を回避するための対策を取っておくことをおすすめします。
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